玉藏院について

歴史と伝統、そして未来への歩み

玉藏院の概要

玉藏院は、京都・西陣の出水通りに静かに佇む臨済宗妙心寺派の寺院です。寛文11年(1671)の創建以来、350年余りにわたり檀信徒の皆様の心の拠り所として歩んでまいりました。

亀岡市千ケ畑にある法常寺を本寺とし、後水尾上皇の勅願寺という由緒ある法統を受け継いでおります。「人の心に本来そなわる仏心という宝を、ともに見いだし、大切に育む場所でありたい」という願いのもと、現代においても禅の教えを大切にお伝えしています。

当院では、葬儀や年忌の法要、年間を通じての仏教行事、坐禅会など、皆様の大切な方々への供養と心の平安のために尽力しております。

町なかにありながらも、時の流れがゆるやかになるような静けさと落ち着きのある当院へ、どうぞお気軽にお越しください。心からお待ちしております。

寺院情報

所在地
〒602-8359 京都府京都市上京区出水通六軒町東入七番町326
電話
075-811-3954
参拝時間
7:00~17:00(年中無休)
玉藏院の本堂内部。荘厳な仏像と美しい装飾に囲まれた神聖な空間

玉藏院の歴史

本寺法常寺について

玉藏院は臨済宗妙心寺派に属しております

寺院の起源

390年前の寛永年間、後水尾上皇の勅願により亀岡市千ケ畑に建立された由緒ある禅寺です。開山一絲文守は岩倉貝堯の第三子で、8歳で皇太后中和門院に召され禁中に奉仕し、18歳で詩人として名を知られました。

歴史的変遷

一絲文守は後水尾上皇の帰依を受け、禅学を進講することもありました。6尺近い長身で眉目秀麗、禁中では女官たちの憧れの的となり、わざと無愛想な顔をしたことが「仏頂面」の語源とされています。正保3年(1646)に39歳で遷化後、寛文6年(1666)に宸筆「法常寺」の勅願が下賜され、延宝6年(1678)には「佛頂国師」の諡号が贈られました。

現代への継承

法常寺は現在も玉藏院の本寺として、その法統と禅の教えを継承しています。特に法常寺第十世の大観文珠が天保元年(1830)に玉藏院を中興し、現在の礎を築きました。この歴史的なつながりにより、玉藏院は法常寺の由緒ある法統を受け継いでいます。

玉藏院について

玉藏院の歴史は、元禄5年(1693)から始まっております

1671年
創建・初期変遷

寛文11年に真言宗として創建。元禄5年(1693)に「玉藏院」と命名し禅宗に改宗、その後宝暦10年(1761)に浄土宗へ改宗するなど宗派変遷を経ました。

1830年
中興開山・大観文珠

天保元年、法常寺第十世の大観文珠が90両で譲り受け、禅宗に転宗し中興されました。

1835-1849年
隆盛期・禅師号拝受

天保6年に560人余の菩薩戒会、天保8年に光格上皇より白銀を賜る大般若法要を開催。嘉永2年(1849)大観文珠に孝明天皇より「普照慧燈禅師号」が勅諡されました。

現在
禅の継承

「仏心という宝を育む場所」として禅の教えを現代に伝承しています。

境内のご案内

玉藏院本堂の内部。金色に輝く仏像と美しい装飾が施された神聖な空間

本堂

ご本尊をお祀りする最も神聖な場所です。法要や読経が行われ、参拝者の祈りの場となっています。

玉藏院の美しい日本庭園。季節の花々と手入れされた樹木が調和する景色

庭園

四季折々の美しさを楽しめる日本庭園。心を癒す自然の美しさが参拝者を迎えます。

玉藏院の美しい日本庭園。季節の花々と手入れされた樹木が調和する景色

書院

法要や集会などに使用される静寂な空間です。畳の香りと障子から差し込む柔らかな光が、心を穏やかに導きます。

玉藏院の美しい日本庭園。季節の花々と手入れされた樹木が調和する景色

地蔵堂

子どもたちの健やかな成長を見守るお地蔵様をお祀りしています。多くの方々に愛され続ける、温かな祈りの場所です。

玉藏院の美しい日本庭園。季節の花々と手入れされた樹木が調和する景色

永代供養塔

故人を永くお守りする供養の場です。静寂な空間で、大切な方への想いを込めて、心安らぐ祈りのひとときをお過ごしいただけます。

重要文化財の絹本着色『芦葉達磨図』固山一鞏賛。室町時代 (玉藏院蔵)

芦葉達磨図

当院が所蔵する重要文化財『絹本着色芦葉達磨図』は、南北朝時代に描かれた禅画の傑作です。達磨大師が一枚の芦の葉に乗って長江を渡る伝説的な場面を描き、東福寺の高僧・固山一鞏の貴重な賛が添えられています。

住職のご紹介

玉藏院住職の写真。温和な表情で参拝者を迎える

住職挨拶

ようこそ玉藏院のホームページへお越しくださいました。
当院は臨済宗妙心寺派に属し、京都・西陣、出水通りに静かに佇む禅寺です。
ここ出水通りは、古くから多くの寺院が集まる通りであり、町なかにありながらも、ふと 立ち止まれば時の流れがゆるやかになるような、不思議な静けさと落ち着きがあります。

「玉藏院」という名には「人の心に本来そなわる(仏心)という宝を、ともに見いだし、大切に育む場所でありたい」という願いが込められています。
現代は日々の忙しさの中で自分自身の心を見失いがちな時代です。そんな時こそ、 「いま、ここ」に心を澄ませる禅の教えが、きっと一つの道しるべになると信じております。

当院では坐禅会や法要、ご供養などを通じて、皆様が少しでも心安らぐひとときを過ごしていただけるよう努めてまいります。当院は誰にとっても開かれた、日々の支えとなる場所であるべきだと考えております。

このご縁に深く感謝し、今後とも玉藏院をどうぞよろしくお願い申し上げます 。

萬福山玉藏院 住職 古川慈徳 合掌